不妊治療の先生に聞いてみた

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不妊検査、人工授精に対する助成金もあります。
【小川クリニック 小川隆吉 先生】

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※当記事は不妊治療の保険診療適用開始以前のものになります。

治療のスタートは不妊検査から

来院して最初に一般的な不妊検査をします。

これは人工授精を行うときでも体外受精を行うときでも同じです。

どの検査をするかはクリニックによって異なりますが、当院ではホルモン検査(血液検査)、エコー検査、卵管通過検査、フーナーテストなど一般的な検査をします。また、年齢が40歳以上でご希望されればAMHの検査も実施します。

AMHの検査は卵巣から出ているAMH(抗ミュラー管ホルモン)の値を測り、残っている卵の数を予測するものです。

フーナーテストは性交後、精子が頚管粘液の中にいるかどうかチェックするもので、排卵日が近づいた時期に実施します。

そして、フーナーテストの結果が悪ければ、抗精子抗体の検査をすることもあります。

一通り、検査をしたあとで人工授精になりますが、卵管通過検査で両側の卵管が閉塞しているとわかった場合など、体外受精でないと妊娠が難しいケースもあります。

ですから、最初に一般的な不妊検査をして不妊原因を探ることが大切です。

不妊検査・人工授精でも助成を受けられることも

現在、体外受精や顕微授精を受ける場合には国の助成金を受けることができます。

この助成金は人工授精には適用されませんが、自治体独自の助成金が受けられる場合もあります。

ぜひ、お住いの地域について確認してみてください。

東京都の場合、東京都不妊検査等助成事業で、不妊検査や人工授精等の費用の一部を助成しており、最大5万円の助成を受けることが可能です。

ただし、検査開始日の女性の年齢が40歳未満など年齢制限があります。

また、女性だけでなく男性も検査を受けていないと助成を受けられません。

ですから、男性も精液検査を受けておいたほうがいいですね。

もちろん、助成を受けるためだけでなく、精子の状態を知っておくことは、とても大切です。

病院へ行かなくても自宅で採取した精子を病院に持参して検査することもできます。

人工授精なら通院は少なくて済む

いざ不妊治療をするとなると、頻繁に病院に行かなくてはいけないのかと思われる方もいるでしょう。

とくにお仕事をしていると、病院へ行くたびに休みをもらうのは難しいと躊躇してしまうかもしれませんね。

ただ、人工授精に絞ってお話すると、体外受精や顕微授精のような準備が必要ないため、病院に通う回数は少なくて済みます。

体外受精や顕微授精では、エコーで卵胞の状態を確認するほかに、採卵と胚移植の際には必ず病院へ行く必要があります。

また、卵胞の発育を促す目的で注射を打つために数日病院に通うこともあります。

どうしても病院に通う回数が増えてしまうのです。

治療の負担という意味では経済的にも、身体的にも、精神的にも体外受精より少なくて済むのが人工授精といえるでしょう。

次回は、「不妊治療を受けるときに知っておいて欲しい婦人科系の病気」についてお話します。

小川クリニック 小川 隆吉 院長

職歴

日本医科大学卒業
日本医科大学産婦人科勤務
都立築地産院産婦人科医長として勤務、日本医科大学産
婦人科講師も兼任
小川クリニック開設

著書

『不妊の最新治療』『ここが知りたい不妊症』『いちばんためになる はじめての妊娠・出産』『30才からの安産』など

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