不妊治療の先生に聞いてみた

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公開日

「妊娠されてよかったですね」と患者様に言えるのが何よりの喜び
【神奈川レディースクリニック 齋藤 優 先生】

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20年を刻む技術力の高さと患者様を思う医療サービス

20年を振り返ると、現在も診療の中心である理事長(小林淳一医師)が、県内でも数少ない不妊不育専門のクリニックとしてスタートし、患者様のために通院や診療環境など一つひとつを整えてまいりました。同時に発展を遂げる不妊治療の医療技術を向上させながら、その歴史を刻んでまいりました。そして、今後もさらにその努力を積み重ねて行く必要性を感じています。

特に、生殖医療というのは、個々の治療施設や医師、スタッフの違いにより見えないところで大きな技術差を感じる面があります。

体外受精自体、臨床応用は1971年のことで、イギリスのエドワーズ(後にノーベル医学生理学賞受賞)らの試みが最初でした。それから試行錯誤を重ね、1978年に成功に至った技術です。

その成功から世界的に進んできたわけですから技術が安定して普及するまでに時間がかかることは想像できるでしょう。

今でこそ、日本では体外受精を含む不妊治療が保険適用されるようになりましたが、それぞれの治療施設がこの間に、自由診療の中で妊娠率の向上と戦いながら、いろいろな症例に対する研究にも力を注いできたのです。

また、そこにはデリケートな心の問題や生活スタイルへの配慮など患者様に寄り添う課題もあります。

私は今、院長をしておりますが、ここに来るまでは総合病院で生殖医療を担っておりました。

一人で採卵から培養、移植まで担当することもあり、妊娠率を上げるための大変さを痛感していました。

誇れる培養スタッフその高い培養技術

ところが、10数年も前のことですが、こちらのクリニックへ移り、やり方は変わらないのに、妊娠率の高さに驚きました。

医者一人の力ではなく、胚培養士を含めたチームの力が全く違うことを実感したのです。
医師が例えどんなに努力したとしても、日頃から専門的に卵子や精子、胚を観察・管理している専門職に任せるところは任せることで、妊娠率が違うのです。

一人でやっていた医療とチームで行う医療がここまで違うのかと驚いたのを覚えています。

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妊娠率ばかりを追えない診療に

ただ、保険診療になって変わってきたところがあります。

確かに保険診療になったことで、患者様の経済的な負担が少なくなりましたが、保険診療になったがために、先進医療として認められていない治療を1つでも行うと保険診療が適応されず、本来なら保険が適用される治療まで、全額自己負担になってしまい、結果として経済的な負担が増えてしまうケースも出てきてしまいました。

比較的妊娠しやすい若い方が早めにお見えになる印象もあり、それは良いのですが、手続きや適用条件が厳しくなっていて、保険で不妊治療を受けたいといっても適用外の場合があり、もどかしさを感じています。

今までの自由診療では、個別化された細やかな治療を提供することが高い妊娠率につながっていたところが、同じ様にはいかず、保険診療という枠組みの中で良い結果に結びつけないといけない状況になってしまったのです。

保険診療にはそれなりの良さはあるものの、診療の自由度が損なわれてしまい、そこが保険診療のメリットとデメリットと言えるでしょう。

患者様へのサービス強化

時代の変化はありますが、患者様の大事な胚を扱う培養室がしっかりしていること、寄り添うスタッフが親身であること、通院するのにクリニックが心地良いことなど、今まで培ってきた神奈川レディースクリニックのクオリティを守り、今後もさらに患者様へのサービスを強化していきたいと思っております。

医師も複数名で対応しているため、担当医は毎回同じ先生が良いという方もいらっしゃいますが、違う医師に診てもらうことでの幅広い診療が受けられるメリットもあります。
将来に渡る卵子凍結保存など、さらに需要が見込まれる分野でのサービスにも積極的に取り組むことができています。

当院は、近隣からだけではなく遠方からいらっしゃる患者様も多く、二人目もここで、あるいは近い将来、親子二代にわたってここで妊娠される方も出てくることでしょう。

サービス強化とともに、よりご納得のいく治療で結果を出せば、患者様が妊娠される機会も増えます。

そして、無事に出産されて連絡をいただければ、それが私たちの何よりの喜びとなり、モチベーションにもつながります。

これからも、培った診療スタイルや医療方針を大切にして患者様からの信頼の厚いクリニックであり続けたいと思っています。

神奈川レディースクリニック
齋藤 優 先生

経歴

  • 2010年
  • 神奈川レディースクリニック入職
  • 2023年
  • 神奈川レディースクリニック院長就任

資格

医学博士
日本産科婦人科学会 認定産婦人科専門医
日本生殖医学会 認定生殖医療専門医

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