不妊治療の先生に聞いてみた

funinclinic

公開日

オンラインでの診療も加えて、時間を有効に使い少ない通院、最短での妊娠を目指す!
【オーク住吉産婦人科
 オーク梅田レディースクリニック
 オーク銀座レディースクリニック
 林 輝美 先生】

記事画像

夜間診療に加えて日曜祝日も開院し、年中無休で診療に当たっているオーク梅田レディースクリニック。

働きながら治療を受ける方にとっては、とても都合よく、通いやすいクリニックと言えるでしょう。これも時代の流れによって生み出された必要性なのかもしれません。実際のところ「患者さまの大半が働いている方です」と林先生もお話します。

今の時代、仕事と治療の両立は決して特別なことではなく、クリニックが患者さんの需要に応え、診療スタイルを変える時が今なのかもしれません。それはすでに不可欠な要素と言えるのかもしれません。

最近、特にニーズの高まっているオンライン診療も含め、仕事と治療を両立するためのクリニック側の試みについてお話をうかがいました。

仕事や子育てをしながら不妊治療との両立を可能にするために、個々に合わせた治療スケジュールを

現在、通院されている患者さまはほとんどが働きながら不妊治療を受けています。ひとりお子さまがいらっしゃって二人目、という方もいます。仕事をしていて、お子さまもいてとなると、時間のやりくりは相当厳しいことと思います。ですから治療方針や来院スケジュールは仕事と両立できるよう、個々の患者さまに合わせたオーダーメイドのように組み立てています。

当院は、年中無休で治療に当たっています。そのため、平日はどうしても通うのが難しいという方は、休みの日にお越しになるとか、ご自身の都合に合わせて通院日を選ぶことができます。中には、「休日しか来られません」とおっしゃる方も珍しくありません。平日だと、夜間の終了間際に滑り込んでくる患者さまも結構いらっしゃいます。皆さん、お仕事が終わってから必死の思いで駆けつけているのだと思います。

相談したいこと、聞きたいことはまとめて〝オンライン〟で確認する

休日や夜間の診療の他に、患者さまにぜひ活用してほしいツールとして、オンライン診療があります。というのも当院ではオンライン診療にも力を入れており、治療方針の説明や相談などは、基本オンラインで行っています。

現在、このオンライン診療で相談しながら治療方針を決め、治療の流れを確認し、細やかな説明も行っています。

日時は患者さまのご都合に合わせて選んでいただけます。ご夫婦ふたりの場合は30分枠、おひとりの場合は15分枠です。
その時間内で患者さまの質問に答えたり、こちらから説明をしたり、外来ではじっくり時間をかけてできないことを丁寧にできるのが、オンライン診療の利点です。

もちろん、私たちの手元には患者さまのカルテがありますから、これまでの治療経過をたどりながら、質問なり相談を受けられますし、患者さまにとっては「前回飲んだ薬は合わなかった」とか、「この治療は少し痛かった」など、その場では伝えられなかったことを伝えられる場でもあります。

お話を聞いているとわかるのですが、患者さまが相談したいことは一般論ではなく、ご自身の場合はどうなのか、ですよね。例えば「私にはどの方法が合っているのか」とか「次回はどうしたらいいのか」とか。ですが外来では一人ひとりに十分に時間を取って相談に乗る時間を取るのは難しいのが現状です。患者さま自身も次に待っている方がいるのはわかっていますから、外来で相談をしたり、丁寧な説明を求めるということはありません。お子さまを預けてきたから早く帰りたいという方もいらっしゃいます。

ですから、これも時代の必要性なのか、言いたいこと、聞きたいことはまとめてオンラインで言う、というスタイルが確立されてきたようです。こうした点でオンライン診療は、患者さまにとても喜んでいただけていると感じています。

ドクター以外にも、卵のことを培養士が説明したり、看護師が対応して説明したりすることもあります。

二人目不妊、遠方からの来院、男性の診療など、通いにくさを打開するオンラインの強み

二人目不妊など、お子さまがいる場合もオンラインなら気兼ねなく診療を受けていただけます。オンライン中に隣で遊んでいても構わないので、わざわざお子さまを預ける必要はありません。

また、オンラインならご主人も格段に診療を受けやすいことが利点に挙げられます。特に保険診療の場合、「ご主人も必ず一緒に診療を受けること」という条件があります。そして、治療の各段階で内容を理解し、同意を得る必要があるのです。とはいえ、その度に通院するとなったら大変です。それが、オンラインなら職場からでも、外出先からでもネットをつないでもらって、身分証と照らし合わせて本人確認をしたうえで、治療を受けることに同意してもらう。時間は最短2~3分程度で終わります。

採卵前や移植前にも同じようにオンラインで「奥さんが今、こういう治療を受けていますがご存知ですか?」というように説明をして、ご主人の了解を得ます。後日、承諾書を郵送するのでサインしていただければ結構です。

奥様が外来に来るたびに一緒に来院するとなったら、さすがに難しいと思いますが、オンラインであれば、海外からでも診療を受けることができます。もちろん奥様と同じ時間帯でなくても構いません。夜間枠もありますから、ご主人の都合のいいときに予約してもらえれば大丈夫です。 

夫婦診療の推進

以前は一度もご主人の顔を見ることなく治療が終わることも珍しくなかったのですが、この点は保険診療によって大きく変化しました。不妊治療はご主人の協力なしにはできませんが、実際、注射をしたり、採卵をしたり、大変な思いをするのはほぼ女性です。そういう奥様の大変さをご主人が理解できるという点も、オンライン診療の利点だと感じています。

夫婦一体となって治療をしていくという連帯感にもつながります。オンラインで説明を聞いていたご主人から「何か自分にできることはありませんか?」と尋ねられることもあり、そんな時は「禁煙しましょうね」とか「長風呂は避けてね」などとお伝えしています。

ご主人が多忙でオンライン診療も難しい、そもそも不妊治療に否定的といった場合には、保険診療は難しく自費診療になりますので、ご夫婦でよく話し合ってみてください。

オンライン診療を活用することで通院回数を必要最低限に抑えられる

オンライン診療を併行することで周期あたりの通院回数も減りました。

まず、最初に必要な治療の相談や説明はオンラインで行います。タイミングで様子を見るのか、人工授精か、あるいは体外受精か。患者さまのご希望や治療経過などを確認しながら、丁寧に決めていきます。仮に体外受精を選択されたら、飲み薬や注射などは患者さまのご自宅に郵送します。配達時間は夜間にするなど時間指定も可能です。 以前のように薬をもらうためだけに、わざわざ病院に来る必要はありません。薬を受け取り、月経が来たら連絡をいただきます。ここから自己注射をするなど治療がスタートします。

一度聞いた説明を忘れてしまうのはよくある話なので、不明点や疑問点があったら、その都度遠慮なく電話で問合わせてもらって構いません。

クリニックには月経6日目頃、卵の大きさをチェックするために来院してもらいます。この時点で即採卵となるほど卵は育っていないのが大半なので、卵の大きさから次のチェック日を決め、2回目のチェック日に採卵となることが多いです。

移植についても、内膜の状態などをチェックする日があって、2回目の来院日に移植をします。このようにオンライン診療によって通院回数を減らせるので、働いている方だけでなく、遠方から通っている患者さまの利便性も高まったと思います。

当院は、兵庫県や和歌山県など遠方から通っている患者さまも多いのですが、何時間もかけて通院する労力だけで相当な負担になるでしょう。当然交通費もかかります。ですから「前回はこんな感じだったから今回は来院日を少しあけましょう」というように、その方の治療経過を踏まえながら、通院回数を減らす工夫をしています。

出産報告で得られる喜びと
やりがい。また頑張ろう!と力が湧いてくる 

当院は不妊治療クリニックで、お産は扱っていません。そのため、妊娠されて卒院していった患者さまと会うことはまずありません。ですが、お産を担当したクリニックから出産報告を受けるシステムがあり、巣立っていった患者さまの経過を知ることができます。「無事にご出産されたのだな」とか「男の子を希望されていたから男の子で良かったな」とか、お一人ずつ報告を確認しながら、こちらも嬉しい気持ちになり、前に進む原動力になります。

不妊治療のやりがいを感じる瞬間でもあります。また、二人目のお子さまを希望されて来院してくださる患者さまも多いので、励みになりますね。

「時間がないから治療は無理」とあきらめないで!
治療ができる方法を一緒に考えましょう

「仕事が忙しくて時間のやりくりが難しい」「小さい子どもがいるので病院に行ける時間が限られている」など、時間のことでお困りの方には、当院の診療時間がお応えします。また、「そんな治療は無理です」とか「〇日に来られないなら難しいです」といったようにお断りすることはありません。

時間的に治療を受けるのが難しいのであれば、どうしたら通えるかを一緒に考えて提案しています。ですから、「とても通えないわ」とあきらめずに一度ご相談ください。ご病気のお子さまがいる、ご主人が協力してくれないなど、抱えているご事情はお一人おひとり異なります。話しにくいこともあるかと思いますが、ご相談いただければ患者さまの状況に合わせた提案をいたします。

また、当院は大阪と東京にあるので、転勤などで引っ越すことになっても受精卵などをそのまま引き継ぐことができます。どこでどのドクターが担当しても同じように診療します。

私も週に1度は東京で診療に当たっていますから、大阪から移られた患者さまを東京で担当することもありえます。もちろん全ての医師に情報は共有されていますので、安心して足をお運びください。

医療法人オーク会
林 輝美 先生

経歴

兵庫医科大学病院産婦人科学教室より宝塚市民病院へ。腹腔鏡手術の第一人者である伊熊健一郎医師のもとで非常に多数の腹腔鏡手術を行う。当時革新的だった「先天性腟欠損症に対するS状結腸を用いた腹腔鏡下造腟術」を発表。国立篠山病院、神戸アドベンチスト病院でその腕を振るう。

資格

日本生殖医学会生殖医療専門医
日本産科婦人科学会専門医
母体保護法指定医

ホームページを開く

関連記事

最新記事