不妊治療の先生に聞いてみた

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妊活ドック(ブライダルチェック)の必要性
【西船橋こやまウィメンズクリニック 小山寿美江先生】

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妊娠は、健康なカップルがそろえば自然にできると考えられがちですが、実際には多くの複雑な条件が関わっています。

実は、基礎体温や生理周期を把握するだけでわかることは数少なく、男性側の精液中に精子はいるか、ホルモン値は正常なのか、卵子は排卵できているか、精子と卵子はあっているのか、受精した後育っているのか…など様々な要因が嚙み合った時に、「妊娠」することができます。

しかし、妊娠するための条件というのは、未だに人間にはわかっていないことも多く、不妊治療をすすめていく中で徐々にわかってくることも少なくありません。

妊活をされている方やこれから始める方にとっては、それらを完全に調べる必要性はありませんが、簡単に測定できるものなどは早めに測定し、自分の身体を前もって知っておくことも必要です。

調べることで、早めに治療をすすめたほうがよいことがわかるケースもあり、そのまま治療を始める患者さんも少なくありません。

妊活ドック(ブライダルチェック)は、早めにわかっておいた方がいい身体の状態を調べることができる検査です。

1.今の身体の状態を把握することができる

例えば、ホルモンバランスの乱れ、卵巣機能の低下、子宮の異常、あるいは男性側の精子の数や運動率の低下など、いずれかの問題があれば妊娠しにくくなる可能性があります。しかし、これらの問題は検査をしないとわからないことが多いです。
妊活ドック(ブライダルチェック)を受けることで、これらの潜在的な問題を発見でき、その後の対応が早くできます。問題が顕在化した場合、早期に治療を始めることで、妊娠の可能性を高めることができ、治療期間を無駄にせず、より効果的に妊活を行うことが可能です。

2.自分の妊娠力を知ることができる

妊活を始める前に、自分の妊娠力(妊娠に必要な身体の機能)がどのような状態なのかを知ることは非常に重要です。 特に、女性の場合、年齢とともに妊娠率が低下し、流産率も上がります。それを知るだけでも今後の妊活に役に立ちます。また、男性の精子も妊娠に大きな影響を与えるため、精子検査による、精子の運動率や数などを知ることができます。女性も男性も妊活に向け現状がどうかを知ることで、今後の生活習慣の改善など妊娠に向け進めていくことができるようになります。

3.不安やストレスを軽減できる

妊活を始めたものの、なかなか妊娠しないという状況になると、精神的な負担が大きくなります。妊活ドック(ブライダルチェック)を受けることで、どのような問題があるのか​​を明確にし、その対策ができることが分かれば、不安やストレスが軽減されます。

また、カップルで一緒に検査を受けることで、問題を共有し、協力し合うことができるため、二人で乗り越えるという気持ちが強くなり、精神的にも支え合うことができます。

4.不妊治療に対する早期の準備ができる

不妊治療は一般的に時間がかかることが多く、治療方法にも様々なアプローチが存在します。妊活ドック(ブライダルチェック)で早期に問題を発見することにより、不妊治療のタイムラインを早めに計画し、スムーズに治療を進めることができます。

5.生活習慣の改善点などを知ることができる

妊活ドック(ブライダルチェック)を受けることで、妊娠に関する体調チェックだけでなく、日常生活の改善点も明確にすることができます。例えば、食事の栄養バランスや運動習慣、ストレスの管理など、妊活をサポートするために必要な生活習慣がわかります。
生活習慣を改善することで、妊娠後の健康もより良いものにできるでしょう。

6.妊娠しやすいタイミングを知ることができる

女性の排卵周期は個人差がありますが、妊活ドック(ブライダルチェック)では、排卵のタイミングや月経周期に関する詳細な情報を得ることができます。これにより、妊娠しやすいタイミングを知り、より効率的な妊活を行うことができます。

7.妊娠に向けての心理の準備ができる

妊活には時間がかかることもありますが、その過程で焦りやプレッシャーを感じることもあります。妊活ドック(ブライダルチェック)を見ることで、自分の体の状態をしっかりと捉えて、これからの妊活に向けて冷静な判断ができるようになります。


妊活ドック(ブライダルチェック)は、不妊治療が必要かどうかを判断するためのものではなく、妊娠に向けた体の状態を整えるための大切なステップです。早期に問題を発見し、適切な対策をとることで、妊娠に向けた成功率を高めることができます。
不安な点があれば、専門の医師と相談し、自分にとって必要な検査やサポートを受けることをおすすめします。

西船橋こやまウィメンズクリニック 小山 寿美江 先生

経歴

  • 1999年
  • 琉球大学医学部医学科卒業
  • 1999~2005年
  • 国立国際医療センター、東京医科 大学病院救急救命センター、東京女子医大病院腎センター、緑風荘病院血液浄化療法センター
  • 2006年
  • 昭和大学病院産婦人科学教室入局
  • 2009年
  • 昭和大学病院産婦人科 助教
  • 2010年
  • 東京衛生病院産婦人科
  • 2012年
  • 木場公園クリニック分院 院長
  • 2017年
  • 六本木レディースクリニック 院長
  • 2020年
  • 西船橋こやまウィメンズクリニック 開院

資格

日本産科婦人科学会 認定産婦人科専門医
日本生殖医学会 認定生殖医療専門医

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