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早めの受診が肝心。 保険診療は不妊治療にとって 患者さんの強い味方です。
【西船橋こやまウィメンズクリニック 小山寿美江先生】
治療を効率よく受け良い結果を引き出すためにも、ぜひ!
不妊治療の保険診療が始まり、当院にも多くの患者さんがお見えになっています。もともと私たちの診療方針は、一般不妊治療から体外受精まで、患者さんを丁寧に診て、適切で必要な治療を無駄のないようスケジュールしていくことです。そして、出来るだけ早くふたりがお子さんに出会い、治療のゴールをむかえて欲しいと努めています。
そのためには、患者さんがご自身の体について知っておくこと、妊娠や不妊症を理解することが必要です。それらの知識不足のために余分な時間をかけてしまう方がいらっしゃいます。日々の診療の中で、不妊期間が長い方にその傾向があるように感じています。
不妊期間が長引くにつれ、年齢も上がっていきますから、不妊診療が受けやすくなった今、早めに受診される方が増えたのは喜ばしいことだと思います。
妊活ドックとメンズドックを再開しました
ここ数カ月お休みしていた、妊活ドックとメンズドックを、再開しました。
受けていただきたいのは「これから妊活を始めようとしているカップル」や「妊活中だけど不妊症が心配なカップル」です。問診や検査結果などから、今後の妊活のためのアドバイスや不妊治療を受ける必要があるかなど、患者さんのご要望を聞きながらお話させていただいています。
そして、妊活には年齢も関係するため、早めの治療がいかに大切か、また、それらの知識を持つことが治療を上手く受ける上でも大切だということを知って欲しいと思っています。保険診療になったとは言え、条件や制限もあります。効率よく受けて良い結果に結びつけていくためにも、それらのことが役立つでしょう。
これまで当院の妊活ドック・メンズドックを受けられたカップルの中には人工授精や体外受精などの専門的な治療にすすまれたカップルもいます。卒業時に「早めに受けておいてよかった」という声を多くいただいています。
保険診療は治療の画一化。でも、患者さんの症状はそれぞれ
保険診療では、どこの治療施設でも同じ治療が同じ医療費で受けられるよう画一化されています。
でも、患者さんの不妊原因や症状、年齢やライフスタイルはそれぞれ違います。それぞれ異なった背景の患者さんを同じ治療法に当てはめることは、実は大変なことです。排卵誘発方法や使用薬剤、採卵から培養、胚移植方法。
自由診療では患者さんごとに選択できていた治療方法を、保険診療では限られた中で行い、結果も出さなければなりません。保険診療の範囲で妊娠される方は多くいらっしゃると思います。しかしそれに当てはまらない方もいらっしゃるのが現実です。そして、その方たちへの診療方法が今後の課題となっています。
人工授精から体外受精へ!ART診療が増加傾向
不妊治療の保険診療が始まって4カ月が経ちますが、人工授精から体外受精へステップアップをする方が多くいらっしゃいます。そのため、当院での体外受精の治療件数は以前より増えています。
一般不妊治療で妊娠されない方にとって、体外受精へステップアップしやすくなり、結果的に妊娠が早まったケースもあります。ただ、懸念することとして、ステップアップしやすくなったため、まだ人工授精などの一般不妊治療で妊娠できる可能性のある方が体外受精を早期に希望するケースもみられるということです。保険診療になっても、費用や体への負担はありますので、体外受精への適応については慎重に考えなければなりません。
早めの受診で妊娠への意識は高まっています
不妊治療は年齢との勝負と言われています。特に35歳以上の方は早めに受診をし、検査結果などから必要な不妊治療へのステップアップをしていくことが大切です。早めの受診で妊娠への意識を高めていくことはとても良いことです。そのハードルが不妊治療の保険適用化で下がり、お子さんへの夢がいっそう身近になりつつあるように感じています。このような時期ですから、不妊症で気になっている方は、ぜひ受診され、不妊治療、そして妊娠・出産を正しく理解しながら、お二人で将来に向けお進みください。
私たちは全力で、そのお手伝いをしています。
西船橋こやまウィメンズクリニック 小山 寿美江 先生
経歴
- 1999年
- 琉球大学医学部医学科卒業
- 1999~2005年
- 国立国際医療センター、東京医科 大学病院救急救命センター、東京女子医大病院腎センター、緑風荘病院血液浄化療法センター
- 2006年
- 昭和大学病院産婦人科学教室入局
- 2009年
- 昭和大学病院産婦人科 助教
- 2010年
- 東京衛生病院産婦人科
- 2012年
- 木場公園クリニック分院 院長
- 2017年
- 六本木レディースクリニック 院長
- 2020年
- 西船橋こやまウィメンズクリニック 開院
資格
日本産科婦人科学会 認定産婦人科専門医
日本生殖医学会 認定生殖医療専門医