公開日2023/10/02

妊活に基礎体温はいる？いらない？
【北千住ARTクリニック　大野基晴先生】

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【基礎体温】をつけたほうがいいカップル

基礎体温をつけたほうがいいのは、自己タイミングで妊娠を目指しているカップルです。

基礎体温をつけることで月経周期がわかるようになり、自分の排卵日がだいたいこの辺りかな？と知ることができるからです。

ただ、それは１つの月経周期が終わった後で基礎体温表を見て、「先月の排卵はこの辺りだったのかな？」と知ることができるというのが、見方としては正しいのではないかと思います。

しかし、妊活をしているカップルは今周期の排卵を知りたいわけです。そのため、これまでの月経周期と基礎体温表を元に、基礎体温表に現れる自分のクセ（特徴）がみつかれば、そこから排卵期の予測をたてることへの結びつけができるようになるでしょう。もしかしたら「今日だ！」と思っていた日よりも、さらに体温が下がる日が２、３日後にきて「どういうことだろう？今日も仲良ししてみようかな」と悩む経験を持つ人もいるのではないかと思います。

では、基礎体温で排卵日が正確にわかるのかといえば、そうではありません。

低温期から高温期へ変動することで、排卵したであろうことがわかり、１つの安心材料として妊活に活かすことはできます。ですから、実際の排卵が低温期からさらに下がった日なのか、高温期へと移行していく日なのかはわからないので、クセがみつからない人はその辺りで性生活を充実させてみるようにしてください。

基本的には低温期と高温期があれば排卵は起こっているはずです。

ところが、二相性になっていないようなのに月経が来るなどの周期が続く場合は、多嚢胞性卵巣症候群などの病気があるからかもしれません。また、高温期が10日間よりも短い場合などは、卵胞が十分に発育せずに排卵が起こり黄体期が短くなっているのかもしれません。このような状況が基礎体温から見つかったら早めに受診をしましょう。

基礎体温は、低温期でも高温期でも少しガタガタとした線になります。また高温期なのに、急に体温が下がったり、低温期なのに体温が上がったりする日もあるでしょう。人の体は機械ではないので、ちょっとしたことで変化をします。夜トイレに起きたとか、風邪気味だとか、寝不足だとか、体温計を咥える前にちょっと体を起こしたとか、そんな少しの変化でも変わってしまうことがあります。

ですから、おおよそ二相性になっていれば大きな問題はありません。

二相性画像

おおよそ二相性になっていれば大きな問題はありません。薄いオレンジ色でマーカーされているところが排卵期になります。
その前後を含めて数回、性生活を持つようにしましょう。

【基礎体温】が苦になっているのなら

朝は、みなさん忙しいです。朝起きれば仕事に行く準備をしなければならないです。お化粧もしなければならないし、朝ごはんも作らないとならないし、お弁当が必要かもしれません。旦那さんを起こしたり、いろいろお世話が必要かもしれません。そんな貴重な朝の時間に「何もしないで、まず体温計を咥えましょう」となり、それがストレスになります。

夜勤がある人は、いつ測ればいいの？
３交代の仕事がある人は、朝寝たり、夕方寝たり、夜寝たり。いつ測ればいいの？
４時間以上寝てないから、測っても意味がないの？

いろいろ悩んでいる中、体温が上がったり下がったりするのです。基礎体温を測るたびに、基礎体温表を見るたびにストレスが溜まっていくこともあります。まるで基礎体温に脅迫されているような思いがすると話す人もいます。そんなに苦に思っているのなら、いっそ手放してしまいましょう。

そして、病院へ行って、医療のサポートを受けてみましょう。排卵日は基礎体温でなく、血液検査やエコー検査でみてもらえばいいのではないかと思います。

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