公開日
現在可能な不妊治療を、先端医療まですべて提供できる不妊治療専門クリニック。
それを一人の医師が責任を持って患者さまのために行う。
それが 東京ARTクリニック。
【東京ARTクリニック 小川 誠司 先生】

クリニックに訪れるご夫婦が、不妊治療の検査や治療に至る背景や状況はさまざまです。その進め方も結果も一様ではなく、すぐに妊娠される方もいれば、時間をかけて向き合う必要がある方もいます。私たちは、生殖医療専門医を中心に、不妊カウンセラーの資格を有する看護師、胚培養士、心理カウンセラー、遺伝カウンセラーなど多職種が連携することで、一組ひと組、一人ひとりの状況に寄り添いながら、チームで支える体制を整えています。
東京駅周辺には、現在、不妊治療専門のクリニックが数多くあります。名だたるクリニックも多いのですが、その理由としては東京が世界的にみて大都市であり、その中心が東京駅だからでしょう。
東京は、都市で言えばロンドンに次ぐ総合力で世界第2位の都市に評価されています。日本の首都であり、鉄道網、新幹線の拠点ターミナルを担い、世界からのインバウンドも合わせれば、この都市の持つ可能性は計り知れないものがあるのかもしれません。そこにまた一つ、新しいクリニックが誕生しました。その名は、東京ARTクリニック。
名称からは、東京にあるART施設の総称のようなイメージがありますが、1クリニックの名前です。このクリニックを創設したのが、生殖医療専門医の小川誠司医師です。
さて、同医師はどのような意図のもと、クリニックをこの地に開院したのでしょう。診療方針を含め、展望などを早速伺いました。
東京の冬が久しぶりに厳しい寒さの中、取材に伺いました。クリニックは、八重洲口から程近く、歩いて4~5分で着くことができます。地下鉄の最寄駅からは、1~2分です。先生は開院に向けてお忙しい中、とても優しい笑顔でスタッフを招き入れてくださいました。そして早々に院内を一通り案内してくださり、その後、診察室で展望を穏やかにして熱くお話しくださいました。
先進的かつ高度な医療までを、ひとりの医師が責任をもって一貫して提供できる生殖医療クリニック、それがここ東京ARTクリニック
当院は決して大規模なクリニックではありません。また、先代から続く長い歴史の上にもありません。ただ、私にはこれまで不妊治療・生殖補助医療に長年携わってきた経験があります。
その経験を最大限に活かしながら、新しい治療も適切に取り入れ、質の高い医療を実践していきます。小規模であることは、むしろ新しい取り組みに挑戦しやすい環境でもあります。最も重要なのは、医師としての私自身の技量と判断力です。何ができるのか、何を選択すべきか、そしてどのように先端医療を取り入れていくのか。その発想力と実績こそが、医療の質を決めると考えています。これまでに現在行われている不妊治療を幅広く経験しており、一人の医師として責任をもって診療にあたれる自信があります。一般不妊治療、体外受精(生殖補助医療)先進医療に紐づく再生医療、男性不妊治療など。そのためのハード面となる設備やスタッフもそろえ、開院に向け充実も図りました。
まずは体制をしっかり整えることで、患者さまに安心してご相談いただけるクリニックでありたいと考えています。
先ほどもお話ししましたが、医師が一人で診療を行うクリニックには、大きなメリットがあると考えています。
これまでさまざまな医療現場で診療に携わってきましたが、患者さまからよく伺うのは、複数の医師が担当する体制では、以前伝えた内容が共有されていなかったり、同じ説明を何度も繰り返す必要があったり、担当医によって方針や対応に違いが出てしまうことへの戸惑いです。
その点、当院では一人の医師が一貫して診療を担当します。
患者さまの経過やお気持ちを継続的に把握し、最後まで責任をもって向き合えることは、大きな強みだと考えています。
治療においては、現在行われている不妊治療のすべてに対応し、先進医療も含めた幅広い診療を行っていきます。
患者さまが妊娠し、出産に至るまでの道のりを見据え、先端かつ高度な医療を一貫して提供することが当院の基本姿勢です。
つまり、「当院で対応できない不妊治療はない」という体制を目指しています。
また男性不妊に関しても、TESE、MDーTESE、TESEーICSIなどの治療を、泌尿器科医との連携により院内で実施できる体制を整えています。
先進医療であるIMSIやタイムラプス培養、紡錘体を確認した顕微授精などにも対応し、培養面においても十分な体制を整えています。

患者さまに頼れるクリニック
そのための診療時間
診療時間は夜8時までとし、土日祝日も診療を行っています。
働く女性の方や、遠方から通院される患者さまにもできるだけ通いやすい環境を整えました。
「お休みはいつですか」と聞かれた際には、「年末年始のみです」とお答えしています。
それだけ早くから、患者さまにとって頼れる医師・クリニックとして信頼を築いていきたいと考えているからです。
現在は不妊治療への保険適用や助成制度も整い、以前に比べて治療へのハードルは大きく下がりました。
将来を見据えて早い段階からプレコンセプションケアを受ける若いカップルも増えています。
当院では、医療としての技術だけでなく、看護の視点や丁寧な説明、正確な医療情報の提供も大切にし、スタッフ一同、心から患者さまに寄り添える診療を心がけています。
再生医療を活用した幹細胞による卵巣機能の改善
私が今後さらに力を入れていきたい医療技術の一つが、再生医療です。 現在行われている不妊治療をすべて行ったとしても、妊娠率が100%になるわけではありません。
体外受精を含め、何度か治療を重ねる中で妊娠に至る方もいれば、思うような結果が得られず、治療の継続に悩まれる方もいらっしゃいます。
加齢による卵巣機能の低下が原因で妊娠が難しくなっている場合や、原因がはっきりしない場合も少なくありません。
そのため、現在も妊娠に至らず、つらい思いをされている患者さまが多くいらっしゃるのが現実です。
現在行われている治療に加えて、何ができるのかを考えた結果の一つが、再生医療です。
再生医療を不妊治療に応用することは、生殖医療に携わる医師として私の大きな使命の一つだと考えています。
再生医療が持つ可能性をしっかりと見極めながら、患者さまの妊娠につながるよう、少しでも貢献していきたいと考えています。
今現在、生殖医療における再生医療としてPRP卵巣投与法や、PRPの子宮投与法が行われています。この方法による成績には個人差があり、結果として採卵数が少し増えた、子宮内膜が少し厚くなったという報告はありますが、体外受精の治療成績として有意差が明らかに確認できるまでには至っていないのが現状です。
そこで、その次の技術が必要なのではないかと考えた時に、幹細胞に可能性を見出しました。
日本における不妊治療では、40歳前後で体外受精に取り組まれる方が多く、一つのピークを迎えます。
その主な原因は、加齢による卵巣機能の低下です。
そのような場合、体外受精を繰り返すだけでは、なかなか良い結果につながらない現実もあります。
サプリメントや漢方などで体質改善を試みる方もいらっしゃいますが、根本的な改善には限界があると感じています。
だからこそ、これからの新しい選択肢の一つとして、再生医療に注目しています。
PRPだけでなく、当院で取り組んでいる幹細胞そのものを卵巣内に投与する技術は、とても重要だと考えています。
幹細胞が分泌する血管新生因子や成長因子が卵巣組織に働きかけ、加齢などで機能が低下した環境を整え、卵胞が育ちやすい状態へと導くことで、より質の良い卵子の発育を期待する治療です。
幹細胞そのものが卵子になるわけではありません。
卵子は、女性が胎児期にすでに一生分が形成されているため、新たに作られることはありません。
この治療では、幹細胞が分泌する成長因子などが卵巣組織に働きかけ、卵胞が育ちやすい環境を整えることで、機能改善を目指します。
幹細胞による卵巣機能改善治療 ―現在までの症例数と治療結果―
患者さまの中には、さまざまなご事情から妊娠のタイミングが遅れ、閉経が近い時期になってからお子さんを望まれる方もいらっしゃいます。
そのような場合、一般的には卵巣機能が著しく低下し、AMHが測定できない、あるいは採卵が難しい状態になっていることも少なくありません。
実際に私が行った30症例以上の中には、この加齢による卵巣機能不全の方が複数いらっしゃいます。
Aさんもそのうちの一人です。年齢は45歳過ぎ、加齢による卵巣機能不全で閉経寸前の状態でした。採卵自体が難しく、AMHの値も測れないほどでした。そこで月経血を採取し、専門の細胞加工施設にて幹細胞を分離した後、それを卵巣内に投与することで、AMHの上昇や卵胞発育の改善が認められた症例もあります。
実際に3回の投与を行い、その後の採卵で良好胚を得て、体外受精・胚移植を経て妊娠され、無事に出産に至ったケースも経験しています。
現時点では症例数が限られており、十分な臨床エビデンスが確立されている段階ではありませんが、これまでの妊娠例を踏まえると、再生医療の中でも特に将来性の高いアプローチの一つであると感じています。
患者さまの状態に応じて、PRPによる卵巣投与や子宮内投与を行う場合もありますが、いずれも個々の状況に合わせて選択しています。
現在は円安の影響もあり、海外の患者さまにとっては日本での受診がしやすい状況にありますが、国内の患者さまにも無理なく治療を受けていただけるよう、治療コストの低減についても検討を進めています。
なお、再生医療は厚生労働省への届出が必要な医療であり、適切な手続きを行ったうえで実施しています。
患者さまにあたたかい家庭的なクリニックでありたいですね
再生医療の話が長引いてしまいましたが、開院にあたり、当院にはとても良いスタッフが集まりました。
以前からの同僚も多く、信頼関係と安心感のある環境の中で、それぞれが患者さまのために力を発揮できる体制が整っています。そのような背景もあり、当院は家庭的で温かい雰囲気を大切にしたクリニックです。
まだ開院したばかりではありますが、スタッフ一同が同じ思いを持ち、患者さま一人ひとりに寄り添いながら、安心して通っていただける場所づくりを目指しています。
不妊治療には、ご夫婦の関係性や社会的背景など、さまざまなデリケートな側面があります。
また、妊娠や出産、子育てに対して、不安や迷いを抱えていらっしゃる方も少なくありません。
現在治療について悩まれている方はもちろん、これから治療を考えている方にとっても、気軽に相談でき、安心して一歩を踏み出せる場所でありたいと私たちは考えています。
私たちは、患者さま一人ひとりのお気持ちに寄り添いながら、その方らしい選択と歩みをチームで支えてまいります。これからも、信頼され、心から安心して治療に向き合っていただけるクリニックであり続けられるよう努めてまいります。

東京ARTクリニック
小川 誠司 先生
略歴
- 2006年
- 名古屋市立大学医学部を卒業 卒後研修終了後に慶應義塾大学産科婦人科学教室へ入局
- 2010年
- 慶應義塾大学大学院
- 2014年
- 慶應義塾大学産婦人科 助教
- 2015年
- 東京歯科大学市川総合病院産婦人科 助教
- 2017年
- 慶應義塾大学産婦人科 助教
- 2018年
- 医療法人財団荻窪病院・虹クリニック
- 2019年
- 那須赤十字病院産婦人科 副部長
- 2020年
- 仙台ARTクリニック 副院長
- 2023年
- 藤田医科大学 臨床再生医学講座 講師
- 2024年
- 藤田医科大学 臨床再生医学講座 准教授
- 2025年1月〜
- 藤田医科大学 臨床再生医学講座 客員准教授
- 2025年2月〜
- 東京ARTクリニック院長
資格
日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医
日本生殖医学会認定 生殖医療専門医
























