公開日
おふたりの願いを叶えたい!その思いを『星の夢』というクリニック名称に込めました。
【とよた星の夢ARTクリニック 西川 和代 先生】
とよた星の夢ARTクリニックは、一般不妊治療から生殖補助医療に加え、不育症検査・着床前検査、不妊カウンセリング、遺伝カウンセリング、先進医療まで幅広く対応する不妊治療専門クリニックです。治療に関する報や選択肢をわかりやすくお伝えし、心を込めてご夫婦の妊娠を支えています。さらにTESEを含む男性不妊症への専門的対応にも積極的に取り組んでいます。
「星の夢」という名前に込めた〝想い〟
『星の夢』という名前には、新しい命を望むご夫婦の願いを一つの星にたとえ、その夢が叶いますようにという祈りを込めています。星が放つ輝きは、かけがえのない命の尊さに重なります。私たちのもとに託される一つひとつの小さな卵は、まさに未来へと輝くかけがえのない光です。不妊治療とは、その尊い光を大切に守り、ご夫婦の願いを未来へとつなげていく道のりです。
それぞれのご夫婦の経過や背景に合わせた治療法と、きめ細やかなケアを通して、小さな命の輝きが確かな未来へと続くよう、お手伝いできればと願い、日々の診療に向き合っています。
不妊治療における「心・技・体」
「心技体(しん・ぎ・たい)」とは、本来は武道やスポーツの世界で使われる言葉で、心(精神)、技(技術)、体(体力)の三つがそろって初めて力を発揮できる、という考え方です。実はこの考え方は、不妊治療にも通じるものがあります。―心の支え、医療の技術、体の準備―この三つが調和してこそ、未来へと歩む力になります。
「心」 ご夫婦の心に寄り添うこと
不妊治療において最も大切なのは、ご夫婦の心に寄り添うことです。治療の過程では、不安や痛み、夫婦間の温度差、周囲からの無理解など、心の負担は決して小さくありません。当院では、不妊カウンセラーやコーディネーターが常駐しております。
不妊治療に取り組む中で、どのように進んでいけばいいのかなど、ご夫婦の治療の進め方などの不安が伴います。その時々に起こる様々な問題(不安や悩みなど)を伺い、一緒に考え、その人らしい選択を支援する場所として不妊カウンセリングを、検査や治療方法の説明・治療に対する情報提供など、医師との連携を取りながら、カップルに合ったテーラーメイドな治療方法を提供する場所としてコーディネーター外来を整えています。患者さまが安心して一歩を踏み出せるように、気持ちに耳を傾け、心の荷物を少しでも軽くするお手伝いをしたいと考えています。
通院中の患者さまはもちろん、治療を考えている方、現在他の医療機関で治療を受けている方も、気軽にご相談いただいております。
不妊治療は、決して孤独な戦いであってほしくありません。治療が辛く感じるときも、心にふとわいてくる不安を、本音のまま話すことができるー 私たち医療者もそんな伴走者でありたいと願っています。
「技」 多様な技術の選択
不妊治療の技術は日々進歩しています。体外受精や顕微授精に加え、タイムラプス培養器による胚の観察、着床前検査(PGT)、男性不妊に対するTESEなど、新しい方法が取り入れられ、選択肢はますます広がっています。
当院では保険診療を基本としながらも、先進医療技術や自費診療にも対応しており、治療の選択肢を広く持ち、一人ひとりの経過や背景に合わせて、患者さまがご自身に適した治療を納得して選べるよう環境を整えています。
当院には遺伝専門医が在籍し、PGT-A/PGT-SRの認可施設として着床前検査を行えることも特徴です。
また、反復着床不全や不育症にも力を入れております。反復着床不全・不育症専門外来を設け、治療の新しい可能性を広げています。
不妊治療に〝ひとつの正解〟はありません。だからこそ、多様な技術を活かし、ご夫婦らしい治療の選択に寄り添うことを大切にしています。
「技」 できるだけ痛くない治療を目指して
注射や採卵など治療の痛みに対する不安は、そのまま心の不調にもつながってしまいます。治療や検査の際には、できるだけ痛みを少なくすることを大切にしています。
不妊検査のなかでも特に痛みを感じやすいといわれているのが、卵管の通りを調べる卵管造影検査です。卵管が閉塞している場合には、痛みが強く出やすいことがあります。
ただし、この痛みは造影剤を流すスピードや量によって大きく変わります。流量を一度に多くすると痛みも強くなるため、当院ではできるだけ患者さまの負担を減らせるよう、造影剤の流し方に細心の注意を払いながら検査を行っています。
もちろん、どんな検査や治療でも「全く痛みがない」というわけにはいきません。けれども、医療者とコミュニケーションを取りながら進めることで、納得できる・耐えられる範囲に調整することができます。
そして大切なのは、「我慢は禁物」ということ。強い痛みや不安を感じたら、遠慮せずに医療者に伝えてください。その声が、安心で安全な治療へとつながります。
「体」 新しい命を迎えるための準備として
新しい命を迎えるための準備として、何より大切なのは自分自身の体を整えることです。どんな技術を駆使しても、体が不調を訴えていれば妊娠は成立しにくいものです。
体を整えるうえで基盤となるのは食事です。私たちの体は、日々口にするものでつくられています。妊活中は朝食や夕食を抜かず、1日3食をきちんと摂ることを意識してみてください。 食事を抜くと血糖値が乱れ、倦怠感やメンタルの不調につながることがありますし、逆に甘いものなど(糖質)を摂りすぎることで健康を損ねてしまうこともあります。
過剰な糖質摂取は、血糖値を乱すだけでなく、インスリンが過剰に分泌されることで卵巣の働きや排卵に影響を与えることがあります。特に多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の方では、卵子の質や排卵障害に関わることが知られています。また、糖質を摂りすぎると体の中で酸化ストレスが増えたり、糖化産物(AGEs)が蓄積したりして、卵子や胚の質に影響する可能性があると報告されています。
だからこそ、糖質を控えめにしつつ、栄養のバランスを意識することが、卵子を守り未来につながる体づくりにつながります。
当院では必要に応じて採血を行い、分子栄養学に基づいた栄養状態の解析検査をおこなっています。その結果をもとに、栄養指導やサプリメントのご提案を行い、体を整えるサポートをしています。
そしてもう一つ、自分自身を整えてくれる、とっておきの癒し習慣は、体を温めてくれる入浴です。お風呂でゆっくりと体を温めると血流が促され、体も心も癒されていきます。それは、自分の軸を取り戻す第一歩にもつながります。
スマホを置いて、自分自身と向き合う“ほっこり入浴時間”をぜひ増やしてみてください。
とよた星の夢ARTクリニック
西川 和代 先生

略歴
旭川医科大学 卒業
日鋼記念病院
釧路労災病院
遠軽厚生病院
旭川日赤病院
旭川医科大学病院
木場公園クリニック
愛育レディースクリニック
平成30年1月より現職
資格
日本生殖医学会認定 生殖医療専門医
日本産科婦人科学会認定 産婦人科専門医
日本人類遺伝学会認定 臨床遺伝専門医