不妊治療の先生に聞いてみた

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不妊治療は期間を決めて計画的に進めましょう
【とくおかレディースクリニック 徳岡 晋 先生】

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おすすめの目標は初診で来てから1年で妊娠

生殖医療の専門医がすることとして、最初に治療計画を立てることがあります。「この時点で妊娠しましょうね」と患者さまとお話します。

おすすめの目標の一つに、「初診から1年以内に妊娠する」というものがあります。この目標を達成するために決めた期間から逆算して治療を進めていきます。

治療計画は段階的に進められ、例えば、検査は1カ月以内、次にタイミング療法があり、人工授精、体外受精の順に進めていきます。早く妊娠していく人はタイミング療法で、3~4カ月で妊娠することがあります。

次に、人工授精にステップアップし、同様に3~4カ月かかる場合があります。タイミングと人工授精で8カ月が経過します。すると残り4カ月です。卒業するのが妊娠10週までとすると、妊娠で2カ月かかり、残り2カ月ぐらいになるので、かなり治療期間は限られることになります。

なぜ不妊治療の期間を1年と定めるのかというと、患者が長期間通院し続けることの困難さを考慮しているからです。不妊症患者が頑張ると言っても、2年も3年も4年も一生懸命にクリニック通院に能力を向けていくのは大変なことです。患者さまと相談して治療のゴール地点を決めて、逆算していきましょうとお話しております。

しかし、あまりプレッシャーをかけてもいけないですから無理なく効果的な治療をおこなっていきます。

また、AMH値やカップルの状態や状況も踏まえて、タイミング療法や人工授精をせずに最初から体外受精を勧めることもあります。

計画通り治療をするために気を付けたいこと

1年以内での妊娠を目指すとすると、最低でも10ヵ月は継続して治療できる目途を立てなければなりません。

そのためには、まず自分たちの環境を整理しておくことが大切です。

具体的には、不妊治療をしやすい職場環境かどうか、継続して通院するのに時間、金銭的な問題はないか、心身に過度なストレスがある状態にないか、などです。

これらのことを総合して考えて治療の継続がそもそも難しいということであれば、何かしらの改善や工夫が必要となります。

例えば、時間に融通の利かない職場に勤務されている場合は、朝や夜に診療出来て職場に近いクリニックを探すとかです。

1年で妊娠を目指す上でのポイント

1年、あるいはそれ以上に短い期間で妊娠を目指す中にはポイントがあります。それは、患者さまが治療以外にも何かすることです。患者さまが治療以外の活動や趣味に時間を割くことが重要です。

不妊治療では、治療に集中しすぎるとストレスが増える可能性が常にあります。その為、できるだけ横を見て何かに興味を持つ、あるいはパートナーと食事や旅行などの楽しいアクティビティを共有することも良いと思います。

生理がきちゃったときには、お酒が飲めるならほんの少しだけ飲み、自分を解放してあげることはとても大切です。泣きたい時に泣くのを我慢する必要もありません。

治療に入ったらあれもこれもと頑張ると疲れてしまうので、専門医の言うことをしっかり守って進めば良いのです。ストレスケアを活用し、1日でも早い妊娠を実現していくことが大事だと思います。

とくおかレディース
徳岡 晋 先生

経歴

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  • 防衛医科大学校卒業
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  • 同校産婦人科学講座入局
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  • 防衛医科大学校附属病院にて臨床研修
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  • 自衛隊中央病院(三宿)産婦人科勤務
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  • 防衛医科大学校医学研究科(医学博士取得課程)入学
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  • 学位(医学博士)取得(平成12年)
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  • 平成12年 木場公園クリニック (不妊症専門) 勤務
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  • とくおかレディースクリニック開設

資格

日本生殖医学会 認定生殖医療専門医
日本産科婦人科学会 認定産婦人科専門医

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