不妊治療の先生に聞いてみた

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妊娠と体重は深く関係しています。
肥満も痩せすぎも要注意です。
【オーク住吉産婦人科
 オーク梅田レディースクリニック
 オーク銀座レディースクリニック
 船曳 美也子 先生】

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最も流産率が低いのがBMI22
BMI18.5未満、25以上で流産率は高くなる

妊娠を考える時にいろいろな要素がありますが、体重もそのひとつで、生殖と深い関わりがあります。
一般的に体重の目安となるのがBMI(ボディ・マス指数)で、体重㎏÷(身長m)²で算出します。たとえば体重50㎏で160㎝の場合、50÷(1.6×1.6)で、BMIは19.53となります。
一般に18.5未満が低体重、18.5~25未満が標準、25~30未満が肥満度1、30~35未満が肥満度2、35~40未満が肥満度3、40以上が肥満度4と分類されます。
例で挙げた体重50㎏、身長160㎝のBMIは19.53ですから標準です。日本人女性のBMIの分布図を見ると20~22近辺が一番多いのですが、最も健康的なのは22と言われています。流産率も22が一番低くなります。
実際に身長、体重を当てはめてみると身長160㎝で57~58㎏なので、標準体重としてイメージする体重よりも多いのではないでしょうか。
逆にBMIの数値が低すぎても高すぎても流産率は高くなります。低すぎるというのは18.5未満、高すぎるというのは25以上です。

出典 厚生労働省 食事バランスガイド

肥満で問題なのは内臓脂肪
内臓脂肪が増えると卵子の成長や排卵、卵子の取り込みに障害が…

次に肥満のほうですが、肥満で重要なのは皮下脂肪ではなく内臓脂肪です。皮下脂肪は分厚くても問題ありません。実際、太ってみえるのに、たくさんお子さんがいる方はいらっしゃいます。こういう方は皮下脂肪が多いのだと思われます。
では内臓脂肪が多いと何が問題かというと、インスリンが効きにくくなるのです。ここで関係しているのがアディポネクチンというホルモンです。
アディポネクチンは傷ついた血管の修復や、糖や脂肪の代謝に関係している体に良いホルモンなのですが、内臓脂肪が増えると分泌量が減少してしまいます。そうなると卵巣の皮が分厚くなって卵子がうまく育たなかったり、排卵しにくくなるといった弊害が生じます。
また内臓脂肪は腸の前にあるので、排卵したときに卵子が卵管に取り込まれにくくなる、脂肪が邪魔になって入りにくいということも起こりうるのです。

ダイエットで着床しやすくなる例も
当院ではダイエットプログラムも実施しています

また肥満の場合、メカニズムは解明されていませんが、着床と卵子の質にも影響しているのではと言われています。
実際、原因不明で妊娠しないBMI25以上の方がダイエットをしたら着床しやすくなったというデータがあります。
このように肥満が妊娠に与える影響については未解明の部分もありますが、BMI25以上の方、月経異常の方は、ダイエットが妊娠への近道になるかもしれません。まずは3㎏程度でいいのです。ダイエットをすると最初に落ちるのは内臓脂肪ですから少し体重を落として様子を見てみてください。
当院では早く不妊治療に進めるようにダイエットプログラムを指導しています。
本当は月に2㎏くらいずつ落としていくのが理想的なダイエットなのですが、妊娠を目指すなら女性の年齢は重要です。年齢が高くなるほど妊娠率は下がってしまいますから、当院で指導するのは短期間(約2ヶ月)で体重を落とすダイエットになります。20代~30代前半など年齢的にまだ余裕があるなら、ゆっくり体重を落とす方法で構いません。
もちろん栄養指導なども交えながら安全で確実に結果を出せるよう指導していきますので、気になる方はお問合せください。

オーク住吉産婦人科
船曳 美也子 先生

経歴

神戸大学文学部心理学科、兵庫医科大学卒業
兵庫医科大学、西宮中央市民病院、パルモア病院を経て医療法人オーク会へ。
エジンバラ大学で未成熟卵の培養法などを学んだ技術と自らの不妊体験を生かし、診療にあたる。また、早くから不妊と肥満の関係性に着目し、2ヶ月で14kgの減量に成功した患者様の排卵障害が改善したことから、ダイエット・プログラムを発案。国内外の学会発表多数あり。The influence of body mass index (BMI) on pregnancy outcome among Japanese infertile women を2013年ASRM(American Society for Reproductive Medicine)にて発表。

資格

日本生殖医学会認定生殖医療専門医
日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医
母体保護法指定医

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