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おふたりに、健康と家族計画でお力になり続けていたいですね
【峯レディースクリニック 峯克也先生】

自由が丘は、東急東横線と大井町線が交差する、東京・目黒区の洗練された人気のターミナルです。渋谷や横浜、二子玉川へ乗り換えなしでアクセスでき、駅周辺には10以上の商店街が軒を並べています。そこには人気のスイーツ店や雑貨店が多く、おしゃれな街としても知られています。
利便性・街の美しさ・治安のバランスが良く、豊かな緑と欧風の街並みが特徴で、富裕層にも支持されているため、街としてのブランド力も高く、「住みたい街」としても常に名を連ねています。
この自由が丘の駅近くに、まるで街に溶け込むかのように、2017年に開院したのが峯レディースクリニックです。10年近くが経ち、なるほど「確かに峯先生は自由が丘の雰囲気にマッチした先生ね!」とうなずかれる患者さんや関係者は多いことでしょう。そんな峯先生に、日頃の診療や今号のテーマ、「月経周期と不妊治療」についてお話を伺いました。
月経の仕組みと「歯車」の重要性
月経周期について、私はいつも患者さんに「脳からは卵巣を刺激するホルモンが出ます。そのホルモンが卵巣に伝わり、卵子が育ち、排卵が促されます。卵巣は卵子を発育させると共に、女性ホルモンを出します。女性ホルモンは子宮に働きかけて、子宮の内膜がつくられ妊娠に適した状態になります。それぞれが連携して、歯車のようにしっかり噛み合うことで月経周期は整えられています」とお話しています。
月経周期は、月経期、卵胞期、排卵期、黄体期があります。それが順繰りに周っています。28日で1周期の方が多いですが、25日~38日周期であれば正常の範囲内です。女性にとっては初潮が起きてから閉経まで、この周期がずっと続きます。ですから日頃のライフスタイルや健康、家族設計に関わるとても大切なことなのです。
当院は不妊専門のクリニックですから、妊娠との関連性をベースに参考の図を見せながら説明しています。
まずは、卵巣は脳(下垂体)からのコントロールを受けています。脳から「卵胞刺激ホルモン:FSH」というホルモンが分泌され卵巣に伝わると、卵子を包んでいる「卵胞」が発育し、卵胞の中の「卵子」が成熟していきます。卵胞が2㎝程度まで大きくなると、脳から「黄体形成ホルモン:LH」というホルモンが㆒気に分泌されて卵巣から排卵が起こり、卵胞は黄体という組織に変化します。
さらに、卵胞からは2種類の女性ホルモンが分泌され、子宮の内膜を整え妊娠に適した状態に変化させます。
まず、「卵胞ホルモン:エストラジオール」というホルモンが卵胞の発育と共に分泌され、子宮内膜に働きかけて内膜が厚くなります。排卵が起きて、卵胞が黄体に変化すると、「黄体ホルモン:プロゲステロン」の分泌が加わります。卵胞ホルモンで厚くなった子宮の内膜は、黄体ホルモンが加わることで成熟し、受精卵が着床できる状態に変化します。
妊娠に至らなければ、これらのホルモンは出なくなり、内膜が剥がれ落ちて「生理(月経)」が来ます。「排卵さえきちんとしていれば、その約2週間後には必ず生理が来るようになっているんですよ」とお伝えすると、一通り納得していただけます。

基礎体温とアプリについて
最近は、市販の排卵チェッカーやアプリを使っている方も多いです。排卵チェッカーは、黄体化ホルモンが㆒気に分泌され、排卵が促されている状態を尿などで測定します。排卵予定日の数日前から毎朝行い、陽性になったらその晩の性交渉が妊娠しやすいタイミングになります。
基礎体温も、黄体ホルモンが出ると上がる仕組みですので、自分のリズムを知る目安になります。ただし㆒般の体温計では測定できません。かならず基礎体温測定用の婦人体温計で測定してください。
アプリと連動しているものはより簡便に記録ができます。枕元に体温計を置いて、目が覚めた時にパッと測ることを心がけてください。夜勤がある方など、寝る時間が不規則な方は、6時間ほど寝ていれば測定可能です。
ただ、あまりに真面目に測りすぎて、1日でも体温が下がると「どうしよう」とドキッとして焦ってしまい、それが元でストレスを感じてしまう方が多いのも事実です。そのような時に私は「お手本のグラフのように綺麗でなくても大丈夫。遠目で見て、低い時期と高い時期(10日以上)に分かれていれば十分ですよ」とアドバイスしています。
ストレスになるようなら、無理に測らなくてもいいですよ」ともお話しています。
月経周期と過ごし方のコツ
このように、女性の体の中では、 月経周期に伴ってホルモンバランスが大きく変化しています。その変化の影響で心身の状態にも変化が起こります。個人差もありますが、中にはPMS(月経前症候群)で体調を大きく崩して、大変な思いをされる方もいます。
この症状は、生理(月経)の3~10日前から始まり、体調不良になってイライラ、腹痛、むくみ、眠気、味覚の変化などの症状があるようです。生理が始まると自然に軽快・消失するのが特徴です。
それぞれの時期に合わせた「過ごし方のコツ」を知っておくと、少し楽に過ごせるようになるかもしれません。注意とセルフケアを表にまとめましたので、参考にご覧ください。ご主人にも知っておいていただけると理解も深まるかと思います。

注意すべき「月経不順」と多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
症状で特に注意していただきたいのは、生理が3カ月以上来ない時です。多嚢胞性卵巣症候群(PCOS) などであれば不妊の原因になります。PCOSは、月経不順の若い方に多く認められます(推定20人~30人に1 人)。卵巣で男性ホルモンが多く作られてしまい、卵子がうまく育たずに排卵の㆒歩手前で足踏みしてしまい、子宮内膜を作る卵胞ホルモンばかりが出続けてしまいます。成熟した卵子が育たず不妊の原因となりますし、長期化すると、将来的に子宮内膜増殖症などのリスクにつながることもあります。
もしもこの症状があるようでしたら、「不妊治療を始めるまで様子を見てもいい」と思わず、産婦人科を受診なさってください。
すぐに赤ちゃんを希望されない場合はピルで整えると良いと思います。赤ちゃんを希望されるようになった場合は、排卵誘発剤などを使って自力で排卵を起こす治療を優先しましょう。
検査と治療のタイミング
相談を受ける際や検査を受ける際に、よく皆さまからご質問をいただくことがあります。「受診のタイミングは生理中は避けた方が良いですか?」とか「検査は生理中じゃないとダメですか?」という内容です。
当院では「いつでも、思い立った時に来てください」とお伝えしています。
時期(卵胞期、排卵期、黄体期など)によってできる検査は決まっていますが、それよりもご夫婦の仕事の都合や予約の空き状況によって決める方が現実的です。まずは㆒度来ていただき、その時の月経周期の時期にできる検査から進めていくとよいでしょう。
検査をしながら、同時にタイミング療法を並行することも可能です。「順番通り」にこだわるより、夫婦のライフスタイルの中で「やれることから始める」ことが大切です。

年齢とライフプランニング
不妊治療の現場では、やはり年齢の影響は無視できません。35歳頃から卵子の力が衰え始め、40歳を過ぎると妊娠率は大きく変わります。
私はブライダルチェックや初診の方に、「末っ子さんをいつ産み終えたいか」という視点でのプランニングをお話することがあります。例えば3人欲しいのであれば、逆算してスピーディーに進めたほうがいい場合もあります。 こうした情報を知った上で、自分たちがどう粘るか、どうステップアップするかを決めることが後悔しない治療につながります。
男性側の協力と技術の進歩
最近の患者さんは、最初からご夫婦で来院される方がほとんどです。男性も「女性にはホルモンバランスによるメンタルの波がある」ということを理解しようとする姿勢が強くなっていて、とても良い傾向だと感じます。
医療技術も進歩しています。体外受精を行った場合に、受精卵の成長を24 時間観察できる「タイムラプス」の導入や、受精卵の染色体を検査し、妊娠の可能性が高く流産の可能性の低い受精卵を選択して胚移植する「着床前診断(PGT)」など、精度の高い治療を提供できる環境が整っています。
月経周期の乱れや、なかなか授からないという悩みがある方は、アプリの予想に振り回されすぎず、まずは気軽にご相談いただければと思います。
峯レディースクリニック 峯 克也 先生
専門医
日本産科婦人科学会認定産婦人科専門医
日本生殖医学会認定生殖医療専門医
臨床遺伝専門医制度委員会臨床遺伝専門医
日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)
東京都難病指定医
日本受精着床学会評議員
職歴
木場公園クリニック
新宿ARTクリニック




























